マクダフ蒸留所モルト「GLEN DEVERON」 私的備忘録
「グレンデヴェロン」と聞いてサッと蒸留所名が出てこない、ゲコです。
あ〜マクダフ蒸留所のモルトウイスキーか〜、と何度もGoogleのお世話になり。はたまたマックリーダフと聞いて、あれ?デヴェロン?(関係ない)と混同したり。
今回は自分のために、マクダフ蒸留所の歴史、グレンデヴェロンのボトルについてを調べました。1990年代と近年流通オフィシャル、ボトラーのテイスティングノートと私感も添えて。
1962年、マクダフ蒸留所はグラスゴーの仲買業者数名の手によって建てられます。
設立には、当時「タリバーディン蒸留所」「ディーンストン蒸留所」を所有していた「ヘップバーン社」も深く関わっていました。
念のため注意しておくと、「ヘップバーンロス社」ではなく「ブロディヘップバーン」の方。
スコットランド国内の蒸留所経営権が大きく代わる1970年代。
1972年、マクダフ蒸留所は、創業より一貫してライトタイプのウイスキーを作り続けている「ウィリアムローソン社」に買収され、ブレンデッドウイスキー「ウィリアムローソン」の原酒として使われるようになります。
少し話はそれます。同年、ヘップバーン社は所有していた2つの蒸留所、ブレンデッドブランド「グレンフォイ」を「インバーゴードン社」に売却。その後のヘップバーン社の情報は探しても見つからず、この年に解体されてしまったようです。
ウィリアムローソン社の元で、1970年代後半にマクダフ蒸留所は初めてのシングルモルト「グレンデヴェロン」を発売します。
「デヴェロン」とは、バンフとマクダフの間を流れる川の名前。仕込み水も、デヴェロン川支流から水を引いています。
そして、当時のスコッチ業界において重大なマーケットであったアメリカや、ヨーロッパ諸国では「グレン」を冠したウイスキーが人気があったことから、あわせて「グレンデヴェロン」と名付けられました。
このグレンデヴェロンという名前ですが、マクダフ蒸留所建設の際、所有グループを法人化した際から会社名に使われていたようです。ウィリアムローソン社の手に渡る前から、国外のマーケットを意識していたことがわかりますね。
また、「マクダフ」という名称が使われなかった理由として、DCL(ディアジオの前身)が先んじて商標登録していたため、という話もあります。情報源が不明のため、一行だけで。
発売当初のラインナップは5年もの、8年もの、12年ものの3種ですが、発売当初に日本に入ってきていたものは8年と12年もののみでした。
輸入業者は「バークレイ社」。同名のブレンデッドウイスキーを出しており、流通だけではなく手広く事業を展開していた会社のようです。
ボトルはブレンデッドウイスキー「ウィリアムローソン」と同じ形、80年過ぎるとトールボトルに切り替わります。
国内外でグレンデヴェロンが緩やかに認知され始めた頃。
1980年、イタリアの一大洋酒グループである「マティーニ・エ・ロッシ」に「ウィリアムローソン社」は吸収され、マティーニ・エ・ロッシ内のウイスキー部門を担うことになります。
GLEN DEVERON18年 1990年代前半流通
評価(10段階):なし
(まさかのテイスティングノートを紛失(!)うろ覚えで書いてます)
焼きみかん、柔らかい麦感、ナッテイなこく、僅かに柔らかいピートスモーク
全体的に柔らかく滑らか。なにか際立った特徴があるわけではありませんが、優しい口当たりと確かな旨味、美味しいウイスキーだった記憶があります。記録はありません。猛省。
1980年代後半から、輸入業者が「日欧商事」に変わります。
また、この時期に入ってきていたのは年数表記のないものと12年もののみ。8年の年数表記がなくなったものと思われます。
1993年、ウィリアムローソン社の親会社「マティーニ・エ・ロッシ社」は「バカルディ社」と合併。その5年後、バカルディ社は「デュワーズ社」を買収。
マクダフ蒸留所の所有権はデュワーズ社へ移り、現在でも同社の下で稼働しています。
日本への正規輸入はその後、1990年中頃からなくなってしまいます。
余談ですが、同年「マクダフ・インターナショナル」というアイラミストなどのブレンデッドウイスキーを手がける、ブレンド&ボトラー会社が設立されますが、マクダフ蒸留所との関係はありません。
2000年前半までボトルのラベルは菱形に、その後高級感ある(?)パッケージに。
GLEN DEVERON 16年 現行少し前
評価(10段階):4
熟成感からくる濃い甘さと植物的な酸がたつ、わらび餅、生姜、古くなったおから、ワックスをかけたオレンジの皮、口当たりは優しく、甘みのないりんご、ジンジャーシロップ、生のじゃがいも、炒り豆のような麦の香ばしさが口内を満たす
ボディが軽く、全体的に浮ついた印象があります。ただ、だからこそ細かい香味は拾い易く、独特な甘いアロマがクセになる方もいらっしゃるかと思います。
また、ボトラーズでは、蒸留所名であるマクダフと記載されています。
Macduff 1997-2018
評価(10段階):6
わかりやすい熟成感、革製品、ブラッドオレンジ、ジンジャー、木屑、やや粉っぽい、アメリカンチェリー、しっとりとした口当たり、100%オレンジジュース、レモンピール、トーストしたイギリス食パン、日本酒のような乳酸感、薄めたミルクココア
ジューシーなフルーツと香ばしい樽香。キャッチーで、人を選ばない美味しいモルトウイスキーでした。
そして現在、グレンデヴェロンは「ザ・デヴェロン」と名前とパッケージを変え、現在では日本にも 年間数量限定品として、12年ものが正規で入ってきています。
フロストボトルがおしゃれですね〜。
(どこかで飲んだら追記します)
その柔らかい味わいが、現在様々な国で評価を得ているマクダフ蒸留所のモルトウイスキー、デヴェロン。また、そのモルトを使用したブレンデッドウイスキー、ウィリアムローソンの人気は飛ぶ鳥を落とす勢いだとか。(ややオーバー表現?今度まとめます)
今後も目が離せませんね!
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